生物発光リアルタイム測定解析システム        共同研究の募集

 「生物発光リアルタイム測定法」をこれまで以上に大規模かつシステマチックに活用するための最新システムである「生物発光リアルタイム測定解析システム」を開発した(科学技術振興機構【先端計測分析技術・機器開発事業】「機器開発プログラム」の開発課題「生物発光リアルタイム測定システム」(平成1721年度、チームリーダー 石浦正寛))。このシステムの中心となるのは、以下の3つの装置である。(1) ハイスループット生物発光測定装置(2) 高感度生物発光測定装置(3) 自動試料調製装置。また、従来よりも大規模な時系列データを迅速かつ多彩に測定解析するための新たなソフトウェアの開発も進めている。

 新システムは有用生物株や有用遺伝子の網羅的な高速探索に威力を発揮する。(1) 指標となる遺伝子の発現をモニタするための発光株を作製して標準株とする。(2) 標準株を変異原処理して突然変異をランダムに誘発する。(3) 変異原処理した発光株を自動試料調製装置で処理して測定試料を作製する。(4) ハイスループット生物発光測定装置で指標遺伝子の発現を大規模にリアルタイム測定し、測定解析ソフトウェアで目的に適う発現のレベルやパターンを示す変異体候補を1次選抜する。(5) 選抜した変異体候補を回収して培養する。高等植物の場合ならば次世代の種子を得る。(6) 培養した変異体候補を複数試料ずつ高感度生物発光測定装置などの高精度な測定装置でリアルタイム測定して表現型を確認し、変異体を2次選抜する。(7) 選抜した変異体から原因遺伝子(有用遺伝子)を特定する。この工程で次世代DNAシーケンサを活用して、作業効率を劇的に高める(次世代シーケンサーを活用した有用遺伝子の探索法の詳細はこちら)。次世代DNAシーケンサーを活用した原因遺伝子の特定法では、前段階までに特定の表現型を示す突然変異体を多数分離できていることが前提となるので、これまでとは桁違いの大規模かつ迅速なスクリーニングが不可欠である。物発光リアルタイム測定法を大規模かつシステマチックに活用できる我々のシステムは、この目的に最適である。(8) 原因遺伝子を特定した後、その遺伝子を人為的に操作する、あるいはTILLING法で対立変異体を得るなどして、有用形質を示す生物株を得る。また、大規模スクリーニングで分離した突然変異体がそのまま有用生物株として活用できるか調べる。イネなどの農作物の場合、分離した突然変異体のゲノムには発光遺伝子が含まれるため(トランスジェニックとなっているため)、そのまま実用化することが困難である。しかし、野生型と戻し交配することで発光レポーター遺伝子をゲノムから完全に除去できるので(トランスジェニックでなくなるので)、有用株として利用できる。

   

共同研究の募集
 当研究室で開発した測定解析システムを活用した共同研究を募集しております。ご興味をお持ちの方は小内または石浦までご連絡下さい。